輻射冷暖房(PS HR-C) 超省エネ住宅 節約

PS HR-C輻射・放射冷暖房の導入コスト節約の方法

投稿日:2017年10月30日 更新日:

台風22号が過ぎて、一気に冷え込みましたね。

今日は午後23時現在、室温23度、湿度54%。
HR-C(暖房)の温水は28度設定です。

快適ですが、足元は裸足だと女性はちょっと寒いかもしれません。

さて、前回に引き続き今日はPS(ピーエス)社のHR-Cの導入コストを
どのように節減するのか、具体的に説明します。

基本的には王道中の王道
断熱性能を高めることで、設備機器のコストを節約します。

■断熱性能をあげても変わらないところ

PS(ピーエス)社の放射冷暖房システムHR-Cをおさらいしておくと

熱源のヒートポンプでつくられたお湯(冷水)が
配管を通じてラジエーター(放熱)パネルを
一方通行で通って温めて(冷やして)から
熱源に戻ってくる

というシステムです。

費用の内訳をざっくりまとめると

1.熱源(ヒートポンプ:室外機と熱交換器)の能力
2.配管タイプ
3.配管長さ
4・ラジエーターの数と大きさ

の4つで金額が決まってきます。

この中で、断熱性能と関係なく必要なものがあります。

2.配管タイプです。

【開放型】と【密閉型】から選択します。

水は温まると膨らみ、冷たくなると縮みます。

【開放型】
メリット :水の膨らみや縮みを調整する膨張タンク等の機器が不要。初期コストが安い。
デメリット:空気が入る可能性があり、管やラジエーターパネルの内部が酸化して
     錆びたり劣化する心配がある。
     空気が入ると、ラジエーターパネルなどに空気の粒があたり音が出ることがある。

⇒そのため、ポリエチレン管など空気に触れても腐食しにくい管向きです。

【密閉型】
メリット :空気が入らない配管構造が可能となり、長期的に見た信頼性が高く、
     金属の配管や部材の内部からの腐食や劣化の心配がほとんどない。
デメリット:水の膨らみや縮みを調整するような機器が必要なため初期コストがかかる。

⇒ピーエス社の機器構成は金属製のバルブやラジエーターがあるため、
 こちらの密閉型を選択することになります。

この密閉型の設備配管も含めてピーエス社の責任施工となります。

先に断っておくと、

密閉型によるコストは高断熱化しても安くはなりません。

■断熱性能を高めることで節減できるのは、1、3、4の3つ。

1.熱源(ヒートポンプ:室外機と熱交換器)の能力
2.配管タイプ
3.配管長さ
4・ラジエーターの数と大きさ

黄色のアンダーラインは断熱性能によって
金額が変動します。

通常の断熱仕様が高くない家では、

冬は、家から出て行く熱が多く
夏は、家に入ってくる熱が多いため、

快適に暖かく(涼しく)感じてもらうためには、

・各部屋ごとにラジエーターを置く必要がある
 (ラジエーターの数⇒増、大きさ⇒大)
 ↓
・それぞれのラジエーターまで配管工事が必要
 (配管長⇒長)
 ↓
・必要な熱量が多いので
 熱源(ヒートポンプ)の能力も大きくしなければならない。
 (機器能力⇒大)

というように設備が全体的に大掛かりになり、
費用もかかってきます。

また、コストには直接的には関係ありませんが、
密閉式の場合の施工難度もあがります。

そのため、一気にお金が跳ね上がっていきます。

逆に言えば、
輻射冷暖房の導入費用を節約するためには
今説明したことの、逆をすれば良いのです。

最も効果的なことが、断熱性能を高めることです。

エアコンは、もともと導入費用が安いため
断熱性能に追加投資するメリットが少ないですが、

HR-Cはもともと導入費用が高いため、
断熱性能に追加投資することで設備の導入費用削減のメリットが大きくなります。

■Ua値0.3〜0.4程度なら15坪程度の空間に1台設置を目安に

自分の家の経験から言えば、
Q値1.6程度で1F15.5坪、2F15.5坪の合計31坪(約103平米)で
南側からの日射取得に不利な立地でも

1F LDK(ラジエーターパネルあり)
  和室
  トイレ
  玄関+ホール
  階段

2F 主寝室
  洋室1
  洋室2
  洗面脱衣室+トイレ(ラジエーターパネルあり)
  浴室
  廊下
  階段

という構成で、どの部屋も快適に過ごせています。

今ぐらいのシーズンだと、朝起きた時に主寝室で22度程度あります。
家族4人で寝ているので、人体からの発熱もあると思いますが、、、。

1Fのトイレや玄関も寒くありません。

各階15坪程度なら、ラジエーターパネルを各1台設置するのが

HR-Cの導入にあたって充分に経済合理性の高いプランニングだと思います。

一般的な断熱性能の場合に比較して
導入費用を大幅に節約することも可能です。

もちろん、建築士や設計士と、メーカーさんとの綿密な打合が必要です。

更に

【A:経済性にこだわる場合】
それぞれのラジエーターパネルと熱源との配管ルートを
極力短くすることで、配管費用は更に安くすることができます。

【B:快適性にこだわる場合】
サイズダウンしたラジエーターパネルを各部屋に設置すれば良いです。
この場合、配管費用は余計にかかりますが、快適さは向上します。
身体のすぐ近くに暖房(冷房)がある状態なので、
温度設定も暖房の場合なら低くできる可能性があります。

と展開することもできます。

ただ、A、Bに共通して気をつけておきたいことがあります。

それは、ラジエーターパネルは

・設置スペースが必要である
・効率性の高い推奨設置方向がある

ということです。

このことをよく理解していないと空間の広さを犠牲にしたり、
快適さを充分に得られなかったり
壁にカビが生えやすかったり
動線計画の邪魔をしてしまったりすることになります。

特に、我が家のようにコンパクトな家で
かつ間取りをある程度先に決めてしまっていると
ラジエーターパネルのレイアウトに
苦労することになります。

ということで次回は、
レイアウト計画について苦労した点や
建築士や設計士にプラン提案にあたって
予め知っておいて欲しいことや
施主からリクエストしておきたいことなどを
紹介しようと思います。

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