◆2018/1/23追記◆
トリプルガラス+木製サッシの結露について
今年一番の冷えこみとなった1/10の朝、
1Fリビングダイニング南側の掃き出し窓で結露を確認しました。
4年以上住んでいてるのですが、こんなにしっかり結露をみたのは初めてです。
妻が「珍しく結露してる!」と写真をとってくれました。
写真のガラス面に付着している滴が結露です。
枠には、滴に陽が射してできた影が映っています。
それ以降、以前より少し注意深く窓を見るようになりました笑
例えば風当たりが強い北面の窓ガラスのすみっこをさわってみると、うっすらと湿り気を指先に感じる日があります。
水滴になっていないので目にみえないレベルですが、結露自体はしています。
結露の原因は建物内外の温度差と湿度が一定の条件を満たせば起こることなので、仕方ありません。
しかし逆に言えば木製サッシが結露しにくいことをいいことに、自分たちの使い手側の配慮不足があることにも気づかされました。
ふたつ理由を考えています。
1)部屋をあたためすぎて、加湿し過ぎていた。
ちょうど前日にHR−Cの温水の運転を、試しに自動モードに設定したところでした。
そのため普段よりあたたまった室温に、なぜか加湿機が強モードで送風口が窓側に向いた状態になってました。。。
就寝時に室温が22度を超えていると、快適をとおりこして、子ども達は布団をかぶりません。
加湿器の件はスイッチや送風口の向きは、お子さんがいる家庭には「あるある」かもしれませんね笑。
その後、寝る前に
温水の運転が控えめモードになっているか、
加湿機がおやすみモードになっているか
確認するようにしました。
以降、目に見える結露は起こっていません。
室内も体感的に寒くなった感じもないので、まずは設備機器の使い方で対応できそうです。
2)カーテンのある掃き出しの下部は結露しやすい。
これは、
・加湿機の送風口が窓側を向いていたこと
・掃き出し窓の下部が冷えやすいこと
・掃き出し窓がカーテンで覆われ、空気がほとんど動かないこと
といったことが重なったのかな、と。
カーテンは熱損失を抑えるのには有利ですが、カーテンとガラスの間の空気は冷えやすいので逆に結露しやすい環境になります。
特に窓ガラスの面積が大きく、対流の起こりやすい縦長の掃き出し窓の下部は結露しやすいかなと思います。
うちのカーテンは床面すれすれまであるので、冷気をおさえるとともに湿気も逃がしにくいのかもしれません。
◆追記のまとめ◆
トリプルガラスの木製サッシはほとんど結露しない!
と書いたからには、きちんと訂正したほうがよいな、と今回追記することにしました。
トリプルガラスの木製サッシでも、条件がそろえば結露します。当たり前ですが。。。笑
とはいえ、結露が発生する回数は少なく、発生しても水滴の量は少ないと思います。
結露そのものは拭けばすみますし、結露の回数と量が少なければホコリが湿ってカビてくるということもありません。
結露のリスクについては、絶対湿度や相対湿度と温度差から、ちゃんと計算した室内環境をキープするのがベストです。
でも、そこを多少横着して、厳密に運用しなくてもある程度のライフスタイルの差なら許容してくれて、快適に過ごせるのが超省エネ住宅の良いところだとも思っています。
私たちなりの現時点の感想ををまとめると
U値が0.6から0.7ぐらいのトリプルガラス+木製サッシは、
冬場の室内の快適性をかなり高めた状態、
具体的には室温が20度で湿度50%、外気温が0度というように
温度差が20度ぐらいあっても、
ビシャビシャに結露するような感じにはならない。
がまったく結露しないというわけではない。
というのが実感というか使ってみての感想です。
窓の周辺は冷えているはずなので、実際の温度差はもうちょっと少ないと思いますけど。。
窓の断熱化そのものは有効だという考えは変わりませんし、当初書いた記事の内容や考え方にも大きな変更はありません。
トリプルガラスの木製サッシなど高性能サッシの導入を検討されている方に、参考になれば嬉しいです。
お読みいただき、ありがとうございます。
◆追記ここまで◆
今日はうちの家で導入したトリプルガラスのサッシについて
・結露するかどうか
・費用感
・使ってみての感想
・オススメかどうか
について紹介していこうと思います。
エコ住宅や省エネ住宅関連の本やセミナーで
必ずおすすめされる「窓の断熱化」。
どこまでお金をかければ良いのか、
どのぐらいの性能が必要なのか、迷いますよね。
高性能サッシを検討している方に
役立つ内容を届けたいと思っています。
サッシの性能は
「熱のとおしやすさ」
というU値(熱貫流率)
であらわされます。
値が小さいほど、熱をとおしにくい。
値が大きいほど、熱をとおしやすい。
つまりサッシとしては、値が小さいほど
ゼロに近いほど高性能です。
わたし達もサッシ選びは迷いに迷いました。
最終的には
「木製枠+トリプルガラス」の木製サッシとしました。
を採用しました。
サッシは 枠とガラスでできていて、
両方の性能が高いことが理想です。
ガラスの性能は高いけど、枠の性能が低いと
ガラスでは結露しなくても、枠で結露することもあります。
うちのサッシのU値は0.6〜0.7です。
現在、標準的に使われているだろうサッシのU値を
みてみると
YKKのAPW330のアルゴン入りLowーEガラス
=U値1.37
LIXILのサーモスXの高性能ガラス
=U値1.03
とのこと。
うちのサッシと数値で比較してみると
APW330の約2倍
サーモスXの約1.5倍
現在でも高性能のサッシの部類といえます。
結論から言えば、うちではほとんど結露しません。
引っ越してから丸4年以上たって
結露を目で見て確認できたのは浴室の窓だけです。
浴室は湯気でくもっている状態になりますから、
仕方ないかな、と。。。
それ以外の部屋は、
目に見えないレベルで結露していることは
あるかもしれませんが、目に見えるほどではないです。
リビングダイニングは加湿器で加湿してますし、
洗面脱衣室には湯上がりには
湯気がまわっているはずです。
それでも、結露しないということは
やはり性能があがれば結露するリスクは
かなりさがるのだと思います。
(どちらも土の塗り壁でしあげており、
短時間の湿度上昇を軽減している効果も
ゼロではないかもしれません。)
ちなみに、トリプルガラスですが
アルゴンガスは入っていません。
アルゴンガスやクリプトンガス入りのサッシは
ガラスとガラスの間の空気の対流を防ぎ、
断熱性能が高くなります。
これらのガスは「希ガス」と呼ばれていて、
サッシの高性能化に役立ちます。
しかし、ドイツの建築家からアドバイスをうけて
採用しませんでした。
ひとつは「希ガス」は将来ぬけてしまうことがある。
つまり、性能がさがるリスクがある。
もうひとつは
製造時のエネルギー消費量が大きいため、
地球環境的にはあまりオススメしない。
この2つを教えてもらったので、
うちではアルゴンガスやクリプトンガスは
入れないことにしました。
製造時のエネルギー消費量の観点から
木製枠の中にウレタンフォームやポリスチレンフォームが
入ったものも採用していません。
値段はそれなりにしました。
2011年計画当時、
国産でトリプルガラスのサッシをつくっている会社は
まだまだ少なかったのもあって
国産スギを使った木製サッシをドイツでオーダーしました。
うちは延床30坪なのですが、
全部で200万円ぐらいかかりました。
上記の国産サッシで計算すると
120万円〜140万円ぐらいかかるので、
コストパフォーマンスはそんなに変わりません。
ただ、最近は国内でもトリプルガラスの
ラインナップは増えてきていますよね。
わざわざ輸入する必要がないのは
心からうらやましいです。。。
もとがとれるか、と言われたらどうでしょう。。
30年使ったとして差額60万〜80万円。
年間2万〜2万5千円ぐらいの光熱費削減には
役立ちそうですね。
全館暖房するなら。。。
(参考記事:省エネ住宅なのに光熱費が高い?失敗の理由)
トリプルガラスのメリットは
「すぐ側にいても、冷気をほとんど感じない」
という点にあります。
ガラスにさわっても、
例えばしまってあるガラスのコップを触ったりした時と
おなじような冷たさです。
ベッドサイドのサッシに
よっかかれるぐらいの快適さ、といえば
伝わるでしょうか。。。
うぉ〜、つめてー、という感じではないです。
うちのように、どちらかいえばコンパクトな家こそ、
メリットがいきるというか。
うちはダイニングのすぐそばに大きなガラスがありますが
冷気を感じたことはありません。
これも、ドイツの建築家のアドバイスですが
くつろぐスペースとサッシが近いなら
トリプルガラスなどの高性能ガラスをおすすめする。
逆に離れているなら
建物の消費エネルギーを計算して
ペアガラスでも充分という結果が出たら
無理してトリプルガラスを入れる必要はない、
ということでした。
建物の体積に対して表面積の割合がちいさくなると
建物から熱は逃げにくくなります。
動物と同じで、
寒い地域にいる動物ほど大型化するほうが
熱損失では有利なのとおなじですね。
うーん。。。
て悩んじゃいますけど 笑
木製枠+トリプルサッシの組み合わせは
万人向けではないと思います、正直 笑。
性能はいいのですが、使い勝手については
以下の5点をよーく確認することをオススメします。
特に、途中で、やっぱりトリプルガラス入れようかな、
という方は要注意です。
間取りによっては、家がとても使いにくくなります。
理由を整理すると
・木製サッシは普通のサッシのようには使えない。
日本のサッシは「半外付」という付け方をしますが
これと同じやり方をすると、木製枠の場合、雨漏りや腐りのリスクが
とても高くなります。
なので、雨がかかりにくい設計をする必要があります。
うちも、かなり下がった位置にしたり
庇を出したりしています。
サッシが木製だから水漏れしやすい、とかはないので
安心してください。
・サッシの開け方に制約がある
これは、性能とは直接関係ありませんが
使い勝手について。
ドレーキップ、という内倒し、内開きのマドの場合
窓の内側にスペースを確保する必要があります。
うちもこのタイプなのですが、窓を開けっ放しに
すると、開けっ放しの窓が邪魔です 笑。
特に、大きな引き違いのサッシからの変更する時は
よく考えてください。
また、キップといって、内倒し状態にすると
防犯性能は良いのですが、
その状態でレースのカーテンなどをかけるのが
難しいです。
この、カーテンやブラインドをつけにくい
というのも気をつけたいポイントです。
・見た目がゴツく、重い
トリプルガラスになると、普通に重くなります。
開け閉めのハンドルも気密性に配慮されており
普通の引き戸のようにサッと開け閉めできません。
下の写真のように、バルコニーのところなんかは
引き違いでさっと出れないと少しストレスかもしれません。
慣れますが 笑。
・日本の気象条件は厳しい
木製枠の場合、日本の梅雨や台風、秋雨などによって
長時間濡れた状態が続き、乾かないと腐ります。
アルミクラッドなどの耐候性のあるオプションは必須ですし
かつ定期的なメンテナンスがいります。
・海外製はメンテナンスに不安が残る
うちのサッシでも、金物に不具合が出たりしましたし
なんと、引っ越して2年後にはメーカーが倒産していました。。。
いちおう、国内でも木製サッシに対応してくださる工房や
メーカーはいるのですが、やはり不安は残りますよね。。
なので、おすすめとしては
断熱にこだわるなら
あまり使い勝手の変わらない
国産の樹脂枠+トリプルサッシが良いと思います。
YKK APのAPW430あたりが使い勝手を犠牲にせずに
バランスが良いように思います。
それでも、性能重視で木製サッシ+トリプルガラス入れたい!
ということでしたら
スペースを考慮したり、
ちゃんとサッシのまわりは軒のかかった設計にするなど
メンテナンスや耐候性に配慮したほうが良いですね。
省エネ住宅のアドバイスによくある
「南面の窓は大きく、東・北・西面の窓は極力小さく」
というアドバイスは鵜呑みにしない方がいいですよ。
これは、
「マンションの中部屋は快適」
という理屈を、そのままマドの設計や配置に応用しているように感じます。
家の快適さを光熱費だけで考えたら正解かもしれません。
しかし、家の気持ちよさ、って温度と湿度だけではないです。
特に、マドが与える影響って大きいと思います。
あたりまえですが、
戸建住宅で、それなりに日当たりがある敷地なら
東からは朝陽が入ってきますし、
北には全光の眺めが広がっています。
私なりに解釈すると
「南面の窓は大きく、東・北面の窓は適切に、西面の窓は小さく」
が正解だと思います。
敷地によっては、西側に優れた眺めがある場合もあるので
そういう場合は、大きなマドに外付ブラインドを設けたりするのもありかと。
マドの話で印象に残っているのは
養老生命反転都市をプロデュースした荒川修作さんの講演会で
確か青山のウィメンズプラザだったと思いますが
「家には大きいマドと小さいマドがあったほうが良い。
おはよう、と大きな声で開けたい時もあれば
おはよう、と心でつぶやきながらマドを開けたい時もある。
それぞれに相応しいマドを家に用意しておきたい。
それが居心地が良い、HOME、家、ということじゃないか。」
というような話をされていて、印象に残っています。
断熱や性能一辺倒で語られやすいマドですが
ただ、熱を入れる、光を入れる、風を通す、
ということだけじゃなくて
マドがもたらしてくれる豊かさについて、
設計士と相談しながら、
様々な角度で考えたり、知見を深めたりすることも
家づくりにとって大切なことかな、と思います。
かぎられた予算で、どこから優先したら良いのかは
こちらの記事で紹介しています。
よかったら参考にしてください。
冷え性対策にトリプルガラスなどの高性能サッシは有効?おすすめの設置場所。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
何かひとつでも役に立ったことがあれば嬉しいです。
今日は室温24.5度、湿度52%。快適です。
温水パネルは36度です。
朝の冷え込みは1度と寒かったですが、
日も入ってあたたかくなりました。
明朝は少しあたたかくなりそうです。
身体にきをつけていきたいですね。