知っておきたいこと

ZEHに必要な太陽光発電の出力

投稿日:2018年1月29日 更新日:

ZEH(実質化石エネルギー消費ゼロの家)の基準。

基準そのものの考え方はそんなに難しくありません。

基本的に

モデルとなる基準エネルギー消費量に対して

省エネのエネルギー消費削減量と創エネの発電量によるエネルギー生産量の合計が

上回れば良いということです。

ただ、住まい手にとっては太陽光発電をどのぐらいのせるのが
費用対効果が良いのか、が気になるところです。

ひとつの目安として

パワーコンディショナーが1台で賄える出力にすることをおすすめします。

KYOCERA製だと変換効率がもっとも高いタイプのもので

・4.8kWまで
・6.6kWまで

のラインナップがあります。

たとえば4.8kWであれば、

設置する太陽光発電パネルの出力上限4.8kWを搭載したとして
年間発電量がだいたい出力×1,000時間程度なので4,800kWh。

電気は一次エネルギー換算で1kWh=9,760kJなので

4,800kWh×9,760=46,848,000KJ=46.84GJとなります。

6.6kWなら61.42GJ。

あとは、建物の消費エネルギー量をどこまでおさえられるかです。

■ZEHをどうクリアするか

ZEHにしていくためには

(1)まず建物の性能アップと設備で一次エネルギー消費量を基準値から20%削減。
(2)残りの一次エネルギー消費量を、太陽光発電の発電量で賄う。

というパターンになります。

(2)の太陽光発電発電が4.8kWで46.84GJの発電量がある場合、
(1)は46.84GJより少なくなっていて、かつ基準値から20%削減する必要があります。

しかも、この20%削減には、太陽光発電の影響は加味されません。

「太陽光発電をとにかくたくさんのせればよい」

というよりは

「太陽光発電の発電量はカウントするけど、
まずは太陽光に頼らず、
建物の設計として断熱性能と設備で省エネしてくださいね。」

という考え方です。

余談ですが120平米前後までの住まいを計画すると、日本の伝統的な屋根形状である「切り妻」屋根の片面に、太陽光発電をのせた時に無理のない出力がそのぐらいです。キャプション画像はうちの屋根です。切妻屋根の片面に4.59kWのっています。

もしかしたら、ZEH達成のために太陽光発電を無理してのせるために陸屋根の家や片勾配の家が増えて、雨漏りが増えたり景観がダメになっていく、、、、
ということを防ごうとされているのかもしれません。

家づくりは省エネだけで語られるべきものではありませんので、耐久性や景観などの総合的な家づくりの観点からは、本来あるべきな姿に近いように思います。

■省エネ基準がZEH基準になって何が変わったか

ZEH基準となり、以前の省エネ基準に比較してふたつの大きな改善があると思います。

「ひとつめの改善」
→高い水準の取り組みが評価されるようになったこと。

以前の省エネ基準は断熱性能や日射取得率、気密の数値をクリアしていれば、より高い水準の取り組みをしていても客観的に評価されにくい状況にありました。

しかしZEHの基準では、建物全体のエネルギー消費量がゼロになることが目標となったので、ある意味最終的なゴールが明確化されたことになります。
そのため、より高い水準をすることがアピールしやすくなりました。

例えば暖房にエネルギーをたくさん使う地域ではより初期投資が大きくなるというように、居住エリアによってこのゼロを目指すことに必要な投資額には差が出てくるのはいたしかたないですが、その居住エリアの中で強い設計事務所や工務店がどこかということはわかりやすくなります。

それは住まい手にとって、つくり手を比較しやすく、選びやすくなるということにもつながります。

「ふたつめの改善」
→外皮性能至上主義ではなく、地域性に対応した建物の総合的な設計が評価されるようになったこと。

以前の省エネ基準は、自立循環型住宅の設計をおこなっていることとの関連性が乏しかった状況にありました。

しかしZEH基準では建物自体を省エネな設計にするための要素として高断熱や高気密だけでなく、パッシブデザインも含めた総合的な設計力が問われるようになったため、建築士、設計事務所、工務店には強みが強みとして、評価される状況になったと思います。

計算プログラムを使ってみるとわかりますが、単に断熱性能をあげたり、高効率な設備をいれるだけでは良い結果が得られません。

パッシブデザインの照明への影響など、すべてが反映されているわけではありませんが、日射取得と日射遮蔽、建物の周囲の環境などの影響はある程度ちゃんと出てきます。
開口部の大きさや方向。庇や軒の出や高さなど、暖房や冷房に関する項目は、躯体外皮性能の計算プログラムによってパッシブデザインの重要性がちゃんと評価されるようになった印象があります。

まとめると、
ZEHの基準の達成は、断熱や太陽光発電についてスペック重視で費用をかけて物量を投入すれば当然達成できますが、断熱性能や設備などの物量投入に頼り過ぎないバランスの良い建物の普及を国としてすすめようと考えているような印象があります。

■自分にとってのゼロエネ・カーボンニュートラル

ここからは、ゼロエネをどう考えるか、について。

自分が自分の住まいを建築する際に考えていた

ゼロエネやカーボンニュートラルな住まいとは

自分の家庭が生活上使っているエネルギーの総量を発電で賄えばいいかな、

というものでした。

簡単に言うと、

家庭生活から排出するCO2を計算して
それを賄える太陽光のせれば良いじゃん、というような。

ZEHの基準も基本的にはそこから大きく外れてはいません。

家庭生活には
ZEHの基準に定める
暖房・冷房・換気・給湯・照明

そこに

その他(家電・調理など)

を加えたエネルギー消費があり

さらに

自家用車利用による交通、が最も大きいかと。

※欧米などに海外旅行でジェット機乗ったら、
 交通は本気で無視できないレベルになります。
 うちは行ってないので無視できますが。。。

細かく言えば、水道や廃棄物などもあります。

それら全体のCO2排出量を、太陽光発電でプラスマイナスゼロにする。

もしくはエネルギー源単位で見た時に、プラスマイナスゼロを達成
していればいいんじゃないかなぁと思っていました。

建物というよりは生活全体を考えた方法です。

それはそれで考え方としてはアリだと思ってますし、
私としてはそのほうが気が楽ですね。

うちの住まいもゼロエネ・カーボンニュートラル達成したのは
そういう意味です。

ただ、建物そのものの性能としてZEHとしてわかりやすくするなら
建物以外の要素を分けることが有効になります。

作り手を選ぶ時には

「ZEHにすることで、私たちは何が達成できるのか」

をわかりやすく提案してくれているかが大切になってきますね。

◆まとめ

ZEHの基準はあくまで住宅として建物に付随する設備を対象にしています。

暖房・冷房・換気・給湯・照明のエネルギー消費量の観点から、

モデルとなる基準エネルギー消費量に対して

省エネのエネルギー消費削減量と創エネの発電量によるエネルギー生産量の合計が

上回れば良いということです。

このようなZEHの基準が

自分の求めている住まいにあっているのか
提案する住まいにあっているのか
ZEHの基準を参考に取り組むことが大事なことかな、と思います。

今朝は4時30分現在のリビングダイニングは室温20度、湿度48%。快適です。
足下は靴下はいてない状態でブログ書いているとちょっと寒いです。
ラジエーターの温水は自動運転2のひかえめ。加湿器はオフです。

年明けから雪がけっこう降りましたし、冷え込みました。
先日アップした結露の記事以降、今のところ窓の結露はみていません。

やっぱり使い方の問題だったのかな。。。

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