今夜はリビング・ダイニングは23度、湿度51%。
温水は29度に設定されていました。
昨日よりあたたかく感じます。
数字と体感の「差」って無視できないなぁと思います。
特に、夏と冬は湿度が快適さに大きく影響するように思います。。
その湿度。今日はタイトルでいきなり結論に達しています。
知っている人は読まずに済むところが良いですね☆。
徒然草で有名な吉田兼好のあまりにも有名な言葉。
住まいづくりの世界で、ひとり歩きしてきたかのようです。
風通しがよく、軒や庇で日陰がたっぷり。通風に優れた住まい。
いわゆる日本的なエコハウスにも通じる考え方です。
ちなみに本文はこうです。
冬はいかなる所にも住まる。
暑き頃わろき住居は堪へがたきことなり。
深き水は涼しげなし、淺くて流れたる、遙かに涼し。
細かなるものを見るに、遣戸は蔀の間よりもあかし。
天井の高きは、冬寒く、燈くらし。
造作は用なき所をつくりたる、見るもおもしろく、
万の用にも立ちてよしとぞ、人の定めあひ侍りし。
うーん、改めて読むとあまり深みが見いだせない
自分が恥ずかしいのですが。。
簡単に言えば、
夏のことを考えた家のつくりをオススメするよ。
冬は何とかしのげるけど
夏暑い頃に住みにくい家は我慢できないよ。
ということでしょうか。
ちなみに、吉田兼好が活躍した鎌倉時代後期は
「小氷期」
といって、今の気候より寒かったと言われています。
それでも「夏を重視」されるのです。
確かに光熱費の節約にはエネルギー量が多い
冬季をターゲットにしたくなる気持もわかります。
うーん、でも本当かなぁ、
それならまだ吉田兼好の話のほうが
素直に聞けるなぁ、というのが正直な印象です。
夏に高温多湿となる気候であれば
当然涼しさを感じられる住まいの工夫は不可欠です。
一方の「冬」。
堪えるという言葉が表すように基本的には
我慢することが前提になっています。
それでもなお「夏は堪えられない」というのは、
やはり何かメッセージがあると考えても良いと思うのです。
人工的な冷房装置が無い時代。
軒や庇を適切に設けなさいよ、というだけでは
難しいように思われます。
我慢しているのは人間だけではありません。
日本では昔からポピュラーだった木造建築そのものも我慢しています。
夏の高温多湿の状況で、木材は日々
「腐食」に耐えているのですよね。
また、最近のトレンドとして
住宅でも冬の快適さを向上するため更に断熱材を厚くするようになっています。
しかし、実際は断熱材が厚くなるほど、
その中で結露を起こす心配は高まります。
快適と省エネの両立はある程度しやすいかと思うのですが、
家の荷重を支えている木構造の腐食はも最重要な問題です。
つまり、温度も重要ですが、
同じぐらい、湿度への対策も重要なのです。
建物の腐食に備えて、
夏をもって旨とすべし。
をモットーにしたほうが結果、経済合理性が高いように思います。
光熱費の回収が終わっていない建物が腐って倒れてしまったら、
元も子もありませんからね。