今日も大変蒸し暑い一日でしたね。
現在、リビング・ダイニングは26度、湿度60%。快適です。
外気(通気層)は22度〜23度、湿度73〜87%。
外はけっこう冷えているので
窓開けて寝れる涼しさだと思います。
さて、ここのところ蒸し暑かったので
つい輻射冷暖房の快適さについて
書き始めてしまいました。
今日は、自分の超省エネ住宅の家づくりの中で
お世話になったドイツ人の建築家に教えてもらったことなど
超省エネ住宅を建てる時に知っておきたいことの
核心部分を書いていこうと思います。
ほとんどの省エネ住宅本やエコハウス本が
性能や消費エネルギー量、省エネラベル、
技術論や手法論、経済性等の話が大半で、
情報収集には事欠きません。
しかし、そういった本では殆ど触れられていない
実は全然関係ないところに
失敗しない大切なことがあると考えています。
このブログを始めようと思った動機は
まさにこの内容が役に立つ方がきっといるはずだ、
と私の経験から確信するからです。
「そんなこと、わかってて当然」
と仰る方もおられると思いますが、
少なくとも私自身は、盲点でした 笑
■超省エネ住宅は本当に快適なのか?
建てる前の私たち夫婦も、そんな風に考えていました。
そして、国内外の先進的な省エネ建築を訪ね歩きました。
当時、国内では「室内温度19度をキープ」しよう、という話が
省エネ住宅の専門家の話でよく出ていました。
健康面のリスクを抑えることができる温度、
という触れ込みです。
これを統計学的に科学的に証明した
元積水ハウスの岩前先生の知名度が
住宅業界で一気に高まっていった時期です。
で、実際に確かめに行くわけです見学に。
冬のモデルハウスへ。
岐阜にある超省エネ建築を訪ねた時でした。
そこは実験で無暖房でデータどりをされていて、
丁度室温が19度でした。
湿度は曖昧ですが、極端に低い、高い
ということはなかったと思います。
で、妻と私の感想はというと、
「これでは寒いね」
でした。
よく考えればそうです。
19度は健康にとって科学的に裏付けのある温度で
その温度と、建て主の快適さについては無関係な訳です。
お世話になっていた
松尾設計室の松尾さんのプレゼンや省エネ建築の本で
<室内の壁側と室内中心の温度の合計/2=体感温度>
というような情報だけを鵜呑みにしていると
壁と室内側の温度差がなく、体感温度が19度なら
快適そうなイメージがあったのです。
■「自分たちの快適さの”ものさし”をつくらなければならない。」
実際に外壁側と室内側、そして上下階の温度差が小さいと言われる
超省エネ住宅で19度の設定では
私達夫婦には快適とは限らないということが、
私達夫婦にとっての事実でした。
これを早い段階で理解できたことは、大きな前進でした。
「自分たちにとって快適な温熱環境がどういうことか」
がまずあって
「そこに到達するために消費するエネルギーを減らす」
ということが、省エネ住宅を超省エネ住宅にする
本質です。
ゴールがわからないのに、
そこまで到達する仕様を考えたり燃費を計算しても
結局判断できないのは当然といえば当然です。
■「実現したい状況が明らかになっていないと
実現できない。」
次に、沢山の専門家が関わった京都の先進的な住宅を
見学に行きました。
私達が採用する木構造システムを一部導入された
近畿で唯一の事例だったからです。
関心を持っていた木質繊維断熱材や
湿式の漆喰のような外壁材も採用されていました。
木構造システムのモデル建築として
大学の先生方をはじめそうそうたる方々のお名前が並ぶ
一大プロジェクトとして建てられたお住まいでした。
お施主さんの考え方は素晴らしいし、
建築のコンセプトも素晴らしい。
しかし、できあがった建物は
どこかチグハグした住宅という印象を受けました。
その後、お施主様自身が、その思いを
自分の失敗談としてお話してくださいました。
権威のある先生方が集まっても
それが優れたシステムであっても、
優れた建築になるとは限らないし、
「自分が欲しいものが理解できていないと
欲しいものは手に入らない、
それは住宅も同じだ。」
という本質的なことを気づかせてくださいました。
そうしていよいよ
これは、本場に確かめにいかねばならないと、
新婚旅行(妻には迷惑だったかもしれませんが)で
ドイツ人の友人の建築家にアテンドしてもらい
ドイツとスイスの超省エネ住宅を見に行くことにしました。
「自分たちの快適さのものさしをつくるために」
「そのものさしが実現できるレベルかどうかを知るために」
そして、ある助言をもらうことになります。
【後半に続きます】