知っておきたいこと 超省エネ住宅

超省エネにする前に、家が満たすべきこと。

投稿日:2017年7月10日 更新日:

梅雨後半戦、各地で大雨と高温注意報が
出ていますね。

現在、室温26度、湿度60%。快適です。
なんか、毎回同じような室内環境ですね、、

夜12時前後の外気温モニタは
24度、湿度75%です。

雨が降ったので少しムッとしますが、
窓を開けても快適です。

今日は曇りなのに
本当に蒸し暑くて、
公園で遊んでいた子ども達も
みんな汗びっしょりでした。

昨日太陽熱温水器の温水が
今年初めて70度を超えました。

おかげで、二日間
全くガスを使わずに
お風呂もシャワーも
浴びたい放題でした。

汗をかく時期に
光熱費を気にせずに
シャワーを浴びるのは
精神的にも、身体的にも
嬉しい事です。

■超省エネ住宅は目的ではなく、あくまで手段。

家を建てる目的は何なのかを突き詰めて考えること。

これが
「失敗しないために知っておきたいこと。」
の本質だと前後編で触れました。

私の経験から言うと
超省エネ住宅では、できることが増えます。

例えば、
・少ない光熱費で
 全館空調にできるから
 小さな家でも広く使える。

・吹抜で採光に優れた
 明るい空間を
 寒さを感じずに
 実現できる。

・設備が少ないので
 室外機や吸排気ダクト等の
 外観や近隣への影響が
 少なくて済む。

・暑くて汗をかきやすい時期に
 気兼ねなくシャワーやお風呂に
 入れる。
 
・気密性能が良く
 遮音性・静音性に優れる。

・家族構成が変わっても
 我慢をしてもしなくても
 ほとんど光熱費が変わらない。

・浮いた光熱費で
 設備更新の費用を賄える。

今、パッと思いつくだけでも
これだけあります。

一言でいうと、

「暮らしの快適さを決定づける
 温熱環境や給湯利用について
 経済的な制約から開放され
 暮らしの自由度が高まる。」

これが超省エネ住宅を
建てるメリットです。


しかし、
それは住宅の備えるべき機能の
一部でしかありません。

では、住宅が備えるべき機能とは
何でしょうか。

私達夫婦も、帰国後に再考しました。

(1)生命を守るシェルターである。

(2)財産を守るシェルターである。

(3)資産になる家。

私は、この3つだと思います。

■(1)生命を守るシェルターである。

いざという時、非常時に
生命を守ってくれる構造体。

木造、鉄骨、RCを問わず
私達が住宅に期待することです。

具体的には、
地震や火事に強いということに
なります。

これは皆さん異論ないと思います。

■(2)財産を守るシェルターである。

財産には、お金や思い出のアルバム
とか家電や洋服、いろいろありますが、

中でも、最高のものは

「家族の健康」です。

皆さん、

健康は宝

といいますよね。

それは、

温熱環境が良い家は
風邪をひきにくいから
受診料が減りますよ、

とか

ヒートショックのリスクが減り
高齢者の方にも安心ですよ、

ということもあるのですが、

たとえ病気であっても
健康的な暮らしを実感できること。

その心もちが財産なのだと思います。

健康は、失って初めて
その価値がわかると言われます。

それを失う前に
ありがたさに気づくことができたら
幸せなことだと思いませんか。

そういうことを実感できることが、
財産を守るシェルターの意味です。

■(3)資産になる家。

これは、日本において
難しいことの一つです。

日本の家の寿命は35年と言われ、
よく欧米と比較されます。

税制や商習慣等もあると思いますが

その前提にあるのは
日本特有の変化に富んだ四季。

中でも高温多湿の
気候風土だと思います。

「住まいは夏をもって、旨とすべし。」

で有名な吉田兼好の時代、
比較的夏は冷涼だったと言われています。

それでも、
冬ではなく夏を優先すべし、なのは

腐朽やシロアリ等により
建物そのものの寿命が
もたないからです。

断熱気密により、
快適にすることができても
建物が腐ったり、カビてしまっては
意味がありません。

当然、(2)で触れた
健康にも影響が出てきます。

逆に言えば、
超省エネ住宅を建てるなら
ここをしっかりとクリアしないと
光熱費は省エネできても
経済的な損失はむしろ
大きくなるかもしれません。

真夏にダウンジャケットを着たら
間違いなく蒸れますよね。

冬にどんなに温かいと言われても
一年中ダウンを着る人はいません。

高気密高断熱の家づくりは
言ってみれば
家が通年ダウンジャケットを
着るようなものです。

「夏にダウンを着ると
蒸れてしまいますよね。

でもどうせ夏は
冷房なしでは過ごせませんから
エアコン入れますよね。

大丈夫です、
冬の暖房より
夏の冷房のほうが
光熱費は少なくて済みます。

エアコンは特に
光熱費の節約効果が高いです。

冬でも室内にいる人は
半袖で暮らせて快適ですよ。」

果たしてそれが
本当に先進的で
豊かな暮らしなのか。

再考してみてください。

そこに、建物が
長持ちするかどうかの話は
一切出てきません。

もちろん、
実際の省エネ住宅の設計には
壁内の透湿性能(湿気を通す性能)を
守る必要があります。

しかし、

高気密高断熱に対して
何となく違和感があるのは
梅雨のカビや
夏の腐敗に対する
危機管理が日本人の生活文化に
刻み込まれているからだと思います。

温度よりむしろ湿度への配慮。

それが日本における
家の資産価値を高めるために
重要だということです。

では、具体的にどうすれば良いのか
次回から説明していきたいと思います。

-知っておきたいこと, 超省エネ住宅

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