知っておきたいこと デザイン

冬の日射取得(ダイレクトゲイン)とパッシブデザイン

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朝冷え込んでも、日中は日差しがでると寒さが和らぎますね。

うちの家でも、冬場の日射取得(ダイレクトゲイン)を考えた
パッシブデザインを設計に取り入れています。

こういう記事は、その季節に書くのがピッタリですね 笑。

ちょうど冬至に向かって、
日が短くなり、太陽の南中高度が低くなる時期です。

ちょうど良い写真がとれたのでアップしてみました。

昼12時頃の1階リビングの様子です。

うちは、けっこう深い軒がかかっていますが

写真向かって左側の窓から
部屋の奥側まで光がはいっているのが
わかるかとおもいます。

ただ、
庇の長さは2階のバルコニーで必要な寸法から決めたので
エネルギーの効率性でいえば不利とも言えます。

日射取得(ダイレクトゲイン)を考えたパッシブデザインは
効率性と使い勝手のバランスと
どちらでとるか迷いますよね。

エネルギー効率的にもっともベストな
庇の長さや窓の高さ(大きさ)の寸法は
設計士や建築家が提案してくれます。

そこから、もう一段階議論を深めると
快適さにつながっていくように思います。

ポイントは、

「時期」=いつ

「位置」=どこ

を考えることです。

建物を極力南側に向けて
南面の開口部を大きくとって
庇やスクリーンで日射をコントロール

という

いかにもありそうなモデルに単純化してしまい
そのまま鵜呑みにすると上手くいかないケースが
ほとんどだと思います。

ここでも住まい手、使う側のニーズを
自分で整理しておくことが大事になってきます。

■「いつ」の快適さを狙うのか

最初に考えるのは、「いつ」の快適さを重視するかです。

これには2つあります。

ひとつは、季節。

もうひとつは、一日の中での、いつか、ということです。

季節からみていきます。

例えば冬。

冬至の12月22日頃にもっとも部屋に日が入ります。

建物を南向きに立てていて、
南の窓から日射取得(ダイレクトゲイン)をする場合、
冬至が一番有利になります。

一番寒いのはその後の1月〜2月にかけて。
12月よりも日は入りにくくなります。

夏の場合、

同じように南向きで南側に大きな開口部がある場合

夏至の6月22日頃にもっとも部屋に日が入りません。

南中高度が高くなるためですね。

しかし、最も暑い季節はその後の7月〜9月にかけて。

徐々に部屋に日が入ってくることになります。

つまり、冬も夏も、
南向きの建物で南側に大きな開口部(ガラス)を設けた場合

日射取得が建物にとって最も効率に優れる時期は
一番寒さや暑さが厳しい時期より早くくる、ということです。

つまり、
夏至や冬至より
少し遅れた時期を狙って設計するのが良い、
ということになります。

ここで、
建物をそのまま南向きにして
庇の長さや窓の高さで調整しようとすると

冬と夏で矛盾が出ます。

冬のことを考えれば、
日射取得を期待して、庇を短く、窓を高く(大きく)したい。

夏のことを考えれば
日射遮蔽をするために、庇を長く、窓を低く(小さく)したい。

どちらを優先したいのか、
家族で話し合ってみることをおすすめします。

省エネの観点でいえば、通常は冬を優先したいところです。

しかし、パッシブハウス級の超高断熱住宅や
そこまではいかないけれど、うちぐらいの断熱性能(Q値1.6程度)なら
日射遮蔽を優先したいところです。

夏にとても暑い家になるからです。

冬の快適さはあたたかさだけで得られますが、

夏の快適さは、涼しさと風通しの両方を考えたい方が
ほとんどだと思います。

汗をかくことで快適さを感じるには、
風があったほうが良いからです。

でも庇がないと、窓を開けにくくなります。

ということで、うちでは

夏を優先した設計とすることにしました。

うちの設備的に、冷房や除湿のほうが
難しいという事情もあります。

そして、もうひとつの一日のいつか、ということです。

うちでは、

冬は朝、

夏は寝る前

が大事だと考えました。

その時に大事になってくるのが

「位置」を考えることです。

■日射取得の「位置」で快適さ最適化する

先ほど、冬は当時の後、夏は夏至の後に
もっとも寒さも暑さも厳しくなると整理しました。

ということは、
建物は少し東を向いているほうが良いということです。

寒さが厳しい時期には、寒い時間に早くから日が入り、
暑さが厳しい時期には、暑い時間に早く日がかげります。

実は、私が住んでいるまちの
伝統的な集落の建物は真南から15度〜20度東を向いています。

そして、
なんとロッキーマウンテン研究所の博士たちとの
ワークショップでも、

「建物の効率性を総合的に考えると
 必ずしも、真南に向けて建てるのはベストではない。
 15度±5度程度、東を向いているほうが良い。」

という助言があり、
ピタリと一致しています。

無理やり南向きにする必要性や有効性は
そこまで優先度は高くないのです。

でも、
そんな助言や気付きがあったのにも関わらず
当時の自分は

エネルギー効率的には真南が最高

という考えに共感し、そう家を建ててしまいました。

敷地の形状に素直に建っていませんし、
うちの敷地は北側の敷地で、南側の敷地の家に
接近してしまっているため、
午前中はとても日が入りにくいです。

そこは、とても浅はかだったなぁ、と思っています。

敷地のカタチに素直に設計すれば
建物は最適な角度である南東向きでした。

また、
「位置」には日射取得を狙ってとる窓を設けるという意味もあります。

うちの場合、
ダイニングの東側に窓を大きくとれば
冬の朝のあたたかさの立ち上がりもアップしたと思います。

夏は南中高度が高く、
庇があるので東からはほとんど入らないんですよね。

■シミュレーションで確かめることの限界

もちろん、
現在は建物のプランや周辺環境を入力することで
一次エネルギー消費量のシミュレーションで確認することが
簡単になっています。

しかし、重要な事は

そのシミュレーションするプランが
そもそも最適化されているのか、

ということだと思います。

一次エネルギー消費量の総量の効率化だけでなく、
住まい手の快適さや使い勝手から導かれたものなのか。

そして、

その導かれたプランが、そもそも的外れになっていないか。

提案された住まい手にはわからないからです。

提案する人の能力以上には
シミュレーションの結果は良くなりようがありません。

それが、シミュレーションの限界です。

■まとめ

快適さとエネルギー効率を高めることが
高い水準で両立されたプランを提案する。

そんなことは、
設計士や建築家の職能として当然だ
とおっしゃる方がほとんどかもしれません。

だからこそ、
その力量を最大限に発揮してもらうためにも

住まい手となる施主は
季節や一日の時間の中で、
どういった状況が快適で豊かさを感じるのかを
整理して伝えることが大切なのかな、と思います。

そういう意味ではうちの家では、
いろいろと失敗したと思います。

設計士や建築家の能力に問題があったわけではありません。
むしろ、これ以上求めるのは難しいというぐらい
素晴らしい方々だったと思います。

問題があったのは
施主である私自身が、ある意味で誤解したまま
要望をおこない、判断をおこなってきたことです。

例えば、建物を南向きして、南側の開口部(ガラス)を
最大にするのが最適、という誤解です。

自分で制約をつくって、それに縛られている状態は
家づくりにとってあまりよい結果に結びつきません。

それこそが
今の私が、当時の私に助言したいことなんだと思います。

なんだか、反省文みたいになってしまいました 笑。

パッシブデザインって本当に奥が深いと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
何かひとつでもお役に立つことがあったなら嬉しいです

今夜は室温22度の湿度48%。快適です。
温水パネルは36度にしました。加湿器は微弱運転です。

明朝はマイナスになるようなので、
ちょっとあたたかくして休もうと思います。

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